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2025/05/30
グレーな生き方

好きな色
こんにちは。Tukuroiの高橋です。
修理のお問い合わせをを受ける際、座面の生地を張り替えるのにお客様から「おすすめの生地はありますか?」
と、聞かれることがよくあります。
個人的な好みだけでいうと、いつも「グレーの生地」と答えています。
よくよく考えてみると、街中で目を引き、なぜか気になってしまうものは、
「グレー」の色のものが多いような気がします。
白でも黒でもない、その中間の色。
そんなグレーについて、最近、なぜ好きなのかを考えてみました。
自分なりにたどり着いた答えが「生き方」でした。
光と影、冬と春
自然界に光と影、朝と夜があるように、
孤独を感じる冬と、喜びの春があるように、
人生にも光と影、冬の時代、春の時代があると思います。
成功の裏にある、誰にも知られない孤独。
笑顔の裏にある、言葉にならない葛藤。
朝日のように輝く時間もあれば、押しつぶされそうな暗闇の夜の時間もある。
どちらかだけの人生を経験したこともなければ、そう生きている人を見たこともありません。
みんな、人知れぬ苦しみや悲しみを抱えていると思います。
若い頃は、苦労が多かった分、苦労が無い人生を夢見ていました。
ただ、そんな人生は無いと40歳にして気付きました。
春の喜びを味わえるのは、冬の寒さを知っているから。
そして、冬の寒さに耐えられるのは、春の記憶が心を支えてくれるからだと思います。
苦労と幸せ、悲しみと喜び
「苦労の先に幸せがある」なんて、あまり簡単には言いたくはありません。
でも、苦しんだ分だけ、人の優しさが沁みたり、涙を流したからこそ、
星の美しさ、一輪の花の力強さを感じることができると思います。
独立して以来、何度、夜空の星に癒されたことか。
踏まれても、刈られても何度でも立ち上がる雑草に何度、勇気をもらったことか。
悲しみと喜びも、表裏一体。
どちらかだけを選んで生きることはできない。
どちらもあるのが人生。
弦楽器も弦を張りすぎず、緩すぎない具合が1番良い音が出る、というのを聞いたことがあります。
白だけを求めたり、黒だけを怖れたりせず、
どちらも受け入れる。
そんな生き方とグレーという色を重ねているのかもしれません。
白黒をつけないことで見えるもの
世の中には「正解を求める圧力」があり、
自分も気付かないうちに子供や他人に強要していたかもしれません。
「はっきり言いなさい」「どっちなの?」「 良いか悪いか?」
でも、人生の多くはグレーゾーンです。
決められないからこそ、悩み、考え、成長できる。
グレーという色に、そういう余白を感じているのかもしれません。
答えを急がず、判断を急がず、ただ「そこにあること」を許す色。
どちらにも傾きすぎない色。
派手さはない。でも深さがある。
弱さもあるが、強さもある。
光も影も、喜びも悲しみも、全てを受け入れる。
そんなグレーのような「生き方」をしたい。
だから、自分はグレーが好きなのかもしれません。
高橋
2025/05/23
「好き」と「想い」がつながる場所

はじめまして、こんにちは。
このたび、ブログを初めて書かせていただくことになりました。
木工製作と家具リペアを担当しております、藤野と申します。
今回は自己紹介を兼ねて、私がTukuroiと出会うまでのお話をさせていただければと思います。
木工の道を探して
私の略歴については「スタッフ紹介」ページにも掲載しておりますが、ここでは少し違った角度からお話しします。
ご縁あって、ここ愛媛に移り住んできた当初。
仕事を探していた私は、ある“想定外”に直面していました。
それは――
「思っていたより、木工の仕事が見つからない…」という現実でした。
やむを得ず、前職である木工への想いを心の奥にしまい込み、松山市内の会社でグラフィックデザイナーとして働くことに。
デザインの仕事も好きでしたし、それなりのやりがいや楽しさも感じていました。
でも、頭の片隅には諦めきれない、“職人”“ものづくり”“木の仕事”…。
「やっぱり、木に触れて仕事がしたいなぁ…」
出会いは、10ページのブログ
「もう一度、木工の仕事がしたい」
「職人として積み重ねてきた経験を活かしたい」
そんな思いを抱えながら、日々情報を集めていたある日、Tukuroiのブログに出会いました。
それは全10ページにもわたるもので、職人としての歩みや想いがまっすぐに綴られていました。
読み始めると止まらず、夢中で一気に最後まで読み切ってしまいました。
高橋代表が抱えてきた葛藤や選んできた道、それに込めた想いに深く共感し、どの言葉も胸に強く響いたのを覚えています。
(↓高橋代表の当時のブログはこちら)
https://tukuroi.info/info/2020-12/page/2
そして興奮冷めやらぬまま、思い切って「何かお手伝いできることはありませんか?」とメールを送りました。
Tukuroiという静かな共鳴
後日、高橋代表とお会いしてたくさんお話をさせていただきました。物腰はとても柔らかく、ブログを読んで感じたままの、その実直なお人柄に惹かれました。
この「人のあたたかさ」は、Tukuroiという北欧を基調としたお店全体の柔らかな雰囲気にも、そのまま表れているように感じます。
もともと私は、北欧のシンプルで誠実な、美しいデザインが好きでした。
「ハンス・J・ウェグナー」に代表される家具デザイン、「マリメッコ」の色鮮やかなテキスタイル、「イッタラ」や「アラビア」のテーブルウェア、「ムーミン」といった誰もが一度は触れたことのあるような作品など…挙げればきりがないほど、北欧デザインの魅力に惹かれてきました。
そして、ものづくりに携わってきた私にとって、「リペア(修理)」という考え方は、新しい価値観との出会いでもありました。
「壊れたものも捨てずに直し、大切に永く使い続ける」という理念は、「これだけものが溢れる時代に、さらに新しいものを作ることへの迷いや、ゴミをできるだけ増やしたくない」という私の思いとも重なりました。
Tukuroiには、そんな私の「いいなと思うこと」「好きなこと」「やってきたこと」「できること」「やりたいこと」などが、まるで奇跡のようにつながっていました。
これからも、ものづくりの現場から
こうしてTukuroiの一員としてあたたかく迎えていただき、今、ここで働けることを心から嬉しく思っています。
これまでの経験を活かす以上に、日々新たな発見や学びの連続。
職人として、ひとつひとつ丁寧に、心を込めて家具と向き合う毎日です。
貴重なご縁に感謝しながら、これからもTukuroiの一員として、自分にできることをひとつずつ積み重ねていきたいと思っています。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
2025/05/14
使い続けたくなる理由

こんにちは。
主に北欧ヴィンテージ家具のリペアや塗装を担当している森です。
わたしたちの仕事は、ただ壊れたところを直すだけではありません。
これからも長く使っていただくために、どんな修理がふさわしいのか。
そんなことを考えながら、日々家具と向き合っています。
そうしていると、ふだんの暮らしの中でも「丁寧につくれたもの」に自然と目がいくようになります。
たとえば、わたしが乗っているスポーツクーペ。
設計もデザインも10年ほど前のものですが、今もその「つくり」の良さや素材の上質さに、心動かされます。
イルミネーションの光の演出、木目と金属のコントラスト、日本の伝統色を取り入れた内装など、見ているだけで癒されるようなデザインです。
さらに、本革シートやステアリング、センターコンソールなど、触れる全ての部分に職人のこだわりが感じられます。
本革の柔らかさや、スイッチ類のカチッとした確かな操作感に至るまで、「ああ、ちゃんとしてるな」と思わずニヤけてしまう瞬間があります。
クルマに限らず、こういう感覚に共感してくださる方も多いのではないでしょうか。
いまは効率やコストを優先するものづくりが主流ですが、わたしのクルマには、見えないところにまで手がかけられた“真面目なつくり"が感じられます。
この考えはわたしたちの家具修理にも通じています。
長く愛されるように、ひとつひとつ丁寧に手をかけていく。
少し楽しく、仕事と向き合っていきたいと思います。
2025/05/09
Tukuroiが目指していること

Tukuroiが目指していること
Tukuroi代表の高橋です。
3年近くブログを書いていなかったので、もう一度挑戦しようと思います。
創業して今年で8年目となりました。
この8年で色々なことを経験し、考えが変わったり、さらに深掘りをしたり、また変わらない思いもあります。
今、思っているTukuroiが大切にしていること、目指していることを書いてみたいと思います。
Tukuroiの目的とは?
Tukuroiの目的は、「家具をつなぐ文化を広める」ということを掲げています。
大量生産・大量消費の社会は暮らしをとても豊かにしてくれています。
一方で、その裏で増え続けるゴミ、失われていく資源、壊れたらすぐに捨てられるモノたち—。
家具修理の仕事に携わってから、ずっと思い続けてきた疑問です。
私たちが選んだ役割は、「家具をつなぐ」こと。
壊れた家具を直し、思い出の詰まった家具にもう一度生命を吹き込む。
それは、ただの修理ではなく、「つなぐ」という新しい価値の創造だと信じています。
家具を捨てずに受け継ぎ、再び使うという価値観を社会に根付かせることで、多くの恩恵を与えてくれている「美しい自然」を未来の人たちに残す。
小さな力かもしれませんが、「家具をつなぐ」ことで少しでも貢献したい。
それがTukuroiが存在する目的です。
ミッション(使命):家具を長く使うためのサポートをする
私たちは、愛着のある家具や両親から受け継いだ大切な家具を、もう一度使えるようにサポートすることをミッションに掲げています。
ただの修理作業ではなく、使ってきた人、作った人、運んだ人、販売した人…
家具一つにこれまで関わってきた、たくさんの人の思いを少しでも汲み取り、次へ大切につないでいく。
「思い」を大切にサポートする存在でありたいと考えています。
また、職人である前に、1人の社会人であり、1人の人間です。
技術だけでなく、人間性も磨き、安心して修理のご依頼をしていただける職人を目指しています。
ビジョン(未来像):家具を「直す人」「直せる人」が増える社会
私たちが目指す未来は、「家具を直す人、使い続ける人、受け継いでいく人」が増える社会です。
家具が壊れたら直す、使わなくなった家具を受け継いでいく、
そう思うことが当たり前の社会、家具のゴミが出ない社会を目指しています。
また、そのような社会になるためには、次の世代の職人を育てることが欠かせません。
家具を「直す人」が増えると同時に、「直せる人」も増やす。
そのために、私たち自身も成長を重ねなければいけないと考えています。
働く人の幸せも、私たちのミッション
循環型の社会を実現するには、まず働く私たち自身が豊かであることが大切だと思っています。
昔の職人は親方に怒鳴られることが当たり前でした。
自分もそのような経験をしました。
それによって学ぶことももちろんありますが、その反面、「職人」という仕事を諦めてしまった人もたくさんいると思います。
職人という仕事は、とても素晴らしい仕事だと思っています。
「時間」をかけてしか身に付かない技術や知識。
今の時代、非効率的で、すぐに結果が出ないことは避けられる風潮ですが、
そのような時代だからこそ「時間をかけて身に付けた技術や知識、経験」に価値があると思っています。
働く人、職人一人一人が自分の長所や強みを活かし、誇りを持って仕事をしながら、家庭も、趣味も自分らしい生き方を実現できる。
そんな職場を目指しています。
最後に
家具を直すことが当たり前の社会、家具のゴミが出ない社会、さらに言えばゴミが出ない社会。
目的やビジョンの実現には価値観や文化の違い、政治や経済面の課題など、さまざまなハードルがあります。
簡単には実現できない問題ではありますが、自分たちがやっていることを信じて、今できることを一歩ずつ形にしていきます。
高橋
2025/04/22
オイルメンテナンスワークショップ

こんにちは、スタッフ上田です。
先日、愛媛県大洲市にあるトゥデイズギャラリーさんにお声がけいただき、オイルメンテナンスのワークショップを開催させていただきました。
無垢材の家具にとって、オイルメンテナンスは欠かせないお手入れのひとつです。
乾燥や毛羽立ち、反り・割れなどを防ぎ、美しい艶と質感を保ち続けるためには、定期的なケアが必要です。
◾️ワークショップの流れ
まずはTukuroiのことやスタッフの紹介をさせていただき、メンテナンスの流れを説明させていただきました。
その後、オイル塗装の実演をさせていただき、参加者の皆さんも実際にご自身の家具で体験していただきました。
◾️こちらで用意させていただいたもの
・リボス社製 天然植物オイル(ドイツ製)
・ウエス
・サンドペーパー
・ゴム手袋
◾️作業風景
皆さんとても熱心で、質問もたくさんしていただきました。
オイルメンテナンスの話だけでなく、家具にまつわる思い出やエピソードも聞かせていただき、こちらも学びの多い時間となりました。
例えば、ご主人のお父様の代から使われているというちゃぶ台。
お孫さんのおやつの時間や夏のかき氷の場として、今も現役で活躍しているそうです。
皆さん和気藹々と、オイルメンテナンス作業を進めることができました。
◾️家具の「修理」も体験
オイルメンテナンスの合間に、簡単な木工作業などの即席修理も実施させていただきました。
「修理」を身近に感じていただけた時間となりました。
◾️素敵なティータイムも
オイルの乾燥を待つ時間に、美味しい紅茶と今回参加者さんの手作り焼き菓子をご馳走になりました。
家具や暮らしの話、何気ない日常のおしゃべりまで温かい時間をご一緒させていただくことができました。
◾️Before/After
最後に参加してくださった方の家具のbeforeとafterの写真です。
before
after
メンテナンスを行うことで、色味の深みと艶が戻り、しっとりとした仕上がりになりました。
このように、オイル仕上げの製品に定期的にメンテナンスを施すことで、綺麗な状態が続きます。
メンテナンスの頻度としては、一年に一度のメンテナンスをお勧めします。
《日常のお手入れ方法》
普段は乾拭き、または固く絞った布で埃や汚れを優しく拭き取ってください。
本格的なケアには、天然オイルによるメンテナンスキットをご利用いただけます(Tukuroiにて販売中)。
今回のWSを通して、皆さんに「修理」を身近に感じ取っていただくことができ、私たちにとっても貴重な時間を過ごさせていただきました。
また実際に「他のお家の家具もオイルメンテナンスを自分でやってみます」とのお声もあり、とても嬉しく思いました。
今回私が心に残ったことは、大洲市は豪雨による水害で浸水したお家がたくさんあり、その時に家具も浸かってしまい、多くの家具が使えなくなってしまったというお話を聞きました。
しかし、その家具を直して使いたいとおっしゃっていて、私たちにできることで、少しでも力になりたいと強く思いました。
自分達にできる「家具修理」によって、ひとつでも多くの家具が捨てられずに使い続けていけるように、これからも努めていきたいと思います。
今回参加してくださった皆様、そしてお声掛けしてくださったトゥデイズギャラリー様、本当にありがとうございました。
またこのようなワークショップを開催したいと思っておりますので、気になる方は是非お気軽にお問い合わせください。
Tukuroi