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2025/05/14
使い続けたくなる理由

こんにちは。
主に北欧ヴィンテージ家具のリペアや塗装を担当している森です。
わたしたちの仕事は、ただ壊れたところを直すだけではありません。
これからも長く使っていただくために、どんな修理がふさわしいのか。
そんなことを考えながら、日々家具と向き合っています。
そうしていると、ふだんの暮らしの中でも「丁寧につくれたもの」に自然と目がいくようになります。
たとえば、わたしが乗っているスポーツクーペ。
設計もデザインも10年ほど前のものですが、今もその「つくり」の良さや素材の上質さに、心動かされます。
イルミネーションの光の演出、木目と金属のコントラスト、日本の伝統色を取り入れた内装など、見ているだけで癒されるようなデザインです。
さらに、本革シートやステアリング、センターコンソールなど、触れる全ての部分に職人のこだわりが感じられます。
本革の柔らかさや、スイッチ類のカチッとした確かな操作感に至るまで、「ああ、ちゃんとしてるな」と思わずニヤけてしまう瞬間があります。
クルマに限らず、こういう感覚に共感してくださる方も多いのではないでしょうか。
いまは効率やコストを優先するものづくりが主流ですが、わたしのクルマには、見えないところにまで手がかけられた“真面目なつくり"が感じられます。
この考えはわたしたちの家具修理にも通じています。
長く愛されるように、ひとつひとつ丁寧に手をかけていく。
少し楽しく、仕事と向き合っていきたいと思います。
2025/05/09
Tukuroiが目指していること

Tukuroiが目指していること
Tukuroi代表の高橋です。
3年近くブログを書いていなかったので、もう一度挑戦しようと思います。
創業して今年で8年目となりました。
この8年で色々なことを経験し、考えが変わったり、さらに深掘りをしたり、また変わらない思いもあります。
今、思っているTukuroiが大切にしていること、目指していることを書いてみたいと思います。
Tukuroiの目的とは?
Tukuroiの目的は、「家具をつなぐ文化を広める」ということを掲げています。
大量生産・大量消費の社会は暮らしをとても豊かにしてくれています。
一方で、その裏で増え続けるゴミ、失われていく資源、壊れたらすぐに捨てられるモノたち—。
家具修理の仕事に携わってから、ずっと思い続けてきた疑問です。
私たちが選んだ役割は、「家具をつなぐ」こと。
壊れた家具を直し、思い出の詰まった家具にもう一度生命を吹き込む。
それは、ただの修理ではなく、「つなぐ」という新しい価値の創造だと信じています。
家具を捨てずに受け継ぎ、再び使うという価値観を社会に根付かせることで、多くの恩恵を与えてくれている「美しい自然」を未来の人たちに残す。
小さな力かもしれませんが、「家具をつなぐ」ことで少しでも貢献したい。
それがTukuroiが存在する目的です。
ミッション(使命):家具を長く使うためのサポートをする
私たちは、愛着のある家具や両親から受け継いだ大切な家具を、もう一度使えるようにサポートすることをミッションに掲げています。
ただの修理作業ではなく、使ってきた人、作った人、運んだ人、販売した人…
家具一つにこれまで関わってきた、たくさんの人の思いを少しでも汲み取り、次へ大切につないでいく。
「思い」を大切にサポートする存在でありたいと考えています。
また、職人である前に、1人の社会人であり、1人の人間です。
技術だけでなく、人間性も磨き、安心して修理のご依頼をしていただける職人を目指しています。
ビジョン(未来像):家具を「直す人」「直せる人」が増える社会
私たちが目指す未来は、「家具を直す人、使い続ける人、受け継いでいく人」が増える社会です。
家具が壊れたら直す、使わなくなった家具を受け継いでいく、
そう思うことが当たり前の社会、家具のゴミが出ない社会を目指しています。
また、そのような社会になるためには、次の世代の職人を育てることが欠かせません。
家具を「直す人」が増えると同時に、「直せる人」も増やす。
そのために、私たち自身も成長を重ねなければいけないと考えています。
働く人の幸せも、私たちのミッション
循環型の社会を実現するには、まず働く私たち自身が豊かであることが大切だと思っています。
昔の職人は親方に怒鳴られることが当たり前でした。
自分もそのような経験をしました。
それによって学ぶことももちろんありますが、その反面、「職人」という仕事を諦めてしまった人もたくさんいると思います。
職人という仕事は、とても素晴らしい仕事だと思っています。
「時間」をかけてしか身に付かない技術や知識。
今の時代、非効率的で、すぐに結果が出ないことは避けられる風潮ですが、
そのような時代だからこそ「時間をかけて身に付けた技術や知識、経験」に価値があると思っています。
働く人、職人一人一人が自分の長所や強みを活かし、誇りを持って仕事をしながら、家庭も、趣味も自分らしい生き方を実現できる。
そんな職場を目指しています。
最後に
家具を直すことが当たり前の社会、家具のゴミが出ない社会、さらに言えばゴミが出ない社会。
目的やビジョンの実現には価値観や文化の違い、政治や経済面の課題など、さまざまなハードルがあります。
簡単には実現できない問題ではありますが、自分たちがやっていることを信じて、今できることを一歩ずつ形にしていきます。
高橋
2025/04/22
オイルメンテナンスワークショップ

こんにちは、スタッフ上田です。
先日、愛媛県大洲市にあるトゥデイズギャラリーさんにお声がけいただき、オイルメンテナンスのワークショップを開催させていただきました。
無垢材の家具にとって、オイルメンテナンスは欠かせないお手入れのひとつです。
乾燥や毛羽立ち、反り・割れなどを防ぎ、美しい艶と質感を保ち続けるためには、定期的なケアが必要です。
◾️ワークショップの流れ
まずはTukuroiのことやスタッフの紹介をさせていただき、メンテナンスの流れを説明させていただきました。
その後、オイル塗装の実演をさせていただき、参加者の皆さんも実際にご自身の家具で体験していただきました。
◾️こちらで用意させていただいたもの
・リボス社製 天然植物オイル(ドイツ製)
・ウエス
・サンドペーパー
・ゴム手袋
◾️作業風景
皆さんとても熱心で、質問もたくさんしていただきました。
オイルメンテナンスの話だけでなく、家具にまつわる思い出やエピソードも聞かせていただき、こちらも学びの多い時間となりました。
例えば、ご主人のお父様の代から使われているというちゃぶ台。
お孫さんのおやつの時間や夏のかき氷の場として、今も現役で活躍しているそうです。
皆さん和気藹々と、オイルメンテナンス作業を進めることができました。
◾️家具の「修理」も体験
オイルメンテナンスの合間に、簡単な木工作業などの即席修理も実施させていただきました。
「修理」を身近に感じていただけた時間となりました。
◾️素敵なティータイムも
オイルの乾燥を待つ時間に、美味しい紅茶と今回参加者さんの手作り焼き菓子をご馳走になりました。
家具や暮らしの話、何気ない日常のおしゃべりまで温かい時間をご一緒させていただくことができました。
◾️Before/After
最後に参加してくださった方の家具のbeforeとafterの写真です。
before
after
メンテナンスを行うことで、色味の深みと艶が戻り、しっとりとした仕上がりになりました。
このように、オイル仕上げの製品に定期的にメンテナンスを施すことで、綺麗な状態が続きます。
メンテナンスの頻度としては、一年に一度のメンテナンスをお勧めします。
《日常のお手入れ方法》
普段は乾拭き、または固く絞った布で埃や汚れを優しく拭き取ってください。
本格的なケアには、天然オイルによるメンテナンスキットをご利用いただけます(Tukuroiにて販売中)。
今回のWSを通して、皆さんに「修理」を身近に感じ取っていただくことができ、私たちにとっても貴重な時間を過ごさせていただきました。
また実際に「他のお家の家具もオイルメンテナンスを自分でやってみます」とのお声もあり、とても嬉しく思いました。
今回私が心に残ったことは、大洲市は豪雨による水害で浸水したお家がたくさんあり、その時に家具も浸かってしまい、多くの家具が使えなくなってしまったというお話を聞きました。
しかし、その家具を直して使いたいとおっしゃっていて、私たちにできることで、少しでも力になりたいと強く思いました。
自分達にできる「家具修理」によって、ひとつでも多くの家具が捨てられずに使い続けていけるように、これからも努めていきたいと思います。
今回参加してくださった皆様、そしてお声掛けしてくださったトゥデイズギャラリー様、本当にありがとうございました。
またこのようなワークショップを開催したいと思っておりますので、気になる方は是非お気軽にお問い合わせください。
Tukuroi
2024/06/18
雨の多い時期の家具のこと

こんにちは。スタッフ上田です。
6月も終わり、いよいよ夏も本番になろうとしていますが、皆様元気でお過ごしでしょうか。
今年の梅雨は、雨が降り続き、気圧の変化で体調を崩してしまった方もいらっしゃるかと思います。
私も梅雨のこの時期はとても苦手で、気持ちもどんよりしてしまいがちです。(農作物や木々には恵みの雨をもたらす大切な梅雨ですが・・・)
家具にとってもこの時期は大敵です。
高温多湿環境では、木材が水分を吸収しやすくなり、適切なメンテナンスを行わないと、木材が膨張し、変形やひび割れを起こしてしまう場合があります。
これにより、家具の強度や安定性が低下し、使用上の問題が生じる可能性があります。
また、湿気が木材の表面に染み込むと、カビが発生する可能性もあります。カビは家具の美観が損なわれるだけでなく、健康被害のリスクも生じてしまいます。
家具に施されている塗装は色や艶を出して美しく見せるのと同時に、木を湿気や乾燥などから保護する役割もあります。
家具を長く使っていると、塗膜が劣化したり、傷が付き、塗膜が剥がれてしまうことがあります。
そのままにしておくと、家具の表面の塗装が剥がれた所から、水分が吸収され、カビが浸透し取れなくなってしまう場合も・・・そうならない為にも、定期的に上塗り塗装をしたり、オイルメンテスをして、家具の表面を保護してあげることをおすすめします。
また、この時期にお問い合わせがあるのが、「キクイムシ」の被害です。家具の表面に小さな穴がたくさんあったり、そのまわりに木くずが落ちていたら、キクイムシが原因の可能性があります。
キクイムシ自体は、人体に被害はありませんが、家具が穴だらけになってしまい、木がスカスカになり強度面で問題が起こってしまいます。
キクイムシはしっかり塗装していれば、「木」と認識しないため、木の表面にタマゴを産まないとも言われています。
木の反りや割れ、カビ、キクイムシの被害から家具を守る為にも「塗装」のメンテナンスはとても大事です。
【こまめな掃除・お手入れ】
一見あまり関係なさそうにも思いますが、こまめに家具を掃除し綺麗な状態に保つことはカビ予防にも繋がります。
カビが発生する要因は湿度や温度でなく、ほこりや食事の汚れ、髪の毛などの「栄養」が揃ってしまうと発生してしまいます。
そのうち、どれかひとつでも抑える事ができたら、発生を防げるとも言われています。
普段の家具のお手入れは、水拭きで十分だと思いますが、できれば乾拭きすることも、おすすめします。
【家具のレイアウト】
梅雨のカビ被害から家具を守る最大の方法はレイアウトを工夫することです。
家具は簡単に干すことができません。
ですので、普段から空気の通り道を作ることが大切になってきます。
家具を壁から離して(5センチ以上)設置すること。
家具同士を隙間を空けて配置する。
できれば下にも隙間をつくることができたら効果も上がります。
また、室内に置く家具や物の量を減らす事も重要です。
そして、家具の置き場所も慎重に決めることが大切です。
湿気が溜まりそうな場所の設置は極力避けた方がいいです。
◎家の中で湿気が溜まりがちな場所
●北側の部屋
●室内干しをする場所
●水回り
●クローゼットや押し入れ
●結露ができやすい場所(窓の付近)
●風通しの悪い場所
【家具の換気】
この時期、換気のために窓や室内ドアを開けいる人は多いと思います。
そこで、是非、「家具の換気」をとてもおすすめします。
普段閉めっぱなしで湿気がこもりがちな家具も引き出しや扉を開けて風を通してあげると湿気も取り除けます。
たまに一度中の物を全て取り出して換気してあげるのもいいですね。
木材の家具は湿気を吸って膨張します。
引き出しが開けにくくなった時は、ドライヤの冷風を側面に当ててみるのも一つの手です(ドライヤーは30㎝は離し、熱風をかけないように必ず冷風を当ててください。)
ここで紹介した事は基本的なことですが、日頃のお手入れやメンテナンスで、今お持ちの家具の寿命を延ばす事ができ、これからも長く暮らしに寄り添ってくれます。
ご家庭で塗装は難しくても、オイルメンテンナンスをやってみたいという方は、店頭に自然健康オイルと蜜蝋ワックスを混合した天然植物オイルもご用意しています。
蜜蝋には抗菌作用もありますので、この時期特に効果的です。
お手入れやメンテナンスについて疑問に思うことや、やり方が分からない、ご不安がある場合は、出張メンテナンスもしておりますのでお気軽にご相談ください。
Tukuroi
2024/04/24
Tukuroiのこと

こんにちは、staff上田です。
新しい年度が始まり、早くも1か月以上が過ぎました。
皆様どうお過ごしでしょうか。私たちTukuroiはTukuroiらしく日々家具と向き合っております。
今回のブログは改めてTukuroiのことを皆様に知っていただきたく、こちらで綴らせていただきます。
私たちTukuroiの工房は愛媛県松山市の 三津 というところにあります。
三津は、愛媛県松山市にある瀬戸内海を臨む港町です。
古くから海運(漁業と商業)の町として栄えました。
波穏やかな湾に漁船が係留され、入り組んだ路地沿いに商家や土藏が建ち並んでいます。
伝統的な建築や洋館などが残っていたり、古民家を再生したお店があったりと、心和む懐かしい雰囲気です。
昔ながらの小さな路地で猫がお散歩していたり、海辺にはカモメの姿。夕方にはトンビが鳴いていたりと、人も動物も町もゆっくりとした時間が流れています。
私自身三津に初めて訪れたとき、ゆっくり時間が流れていて、どこか異空間にきたような、こころ落ち着く町という印象を受けたのを今でも覚えています。
そんな 三津 という海と山に囲まれた穏やかな場所で私たちは家具の修理、修復をしています。
今の倉庫は元製菓工場で外壁には蔦が生いしげり、何とも言えない雰囲気があります。
古い建物を更地にし、新たに建てるのではなく、その古い建物をそのまま使用するというのは私たちにとって今もとても、魅力を感じています。
私たちは、家具を直しながら長く使い、子供、孫、次の世代に受け継いでいくことが当たり前の社会になってほしい。
「家具修理」という自分たちに出来ることを通して、社会に貢献したいと思っています。
何か壊れたら直しながら、長く使ってほしい。
今、目の前にある、モノ を大切にしてほしい。
人はなぜ捨てずに修理をするのか。
環境のこと(ゴミ問題)ももちろんあると思います。
そのモノと過ごした時間。
そのモノを見たら思い出すことのできる「思い出」が捨てずに修理してでも使っていたいと思わせるのではないでしょうか。
買った時のこと
誰かがプレゼントしてくれたもの
誰か大切な人から受け継いだもの
そのモノを使った日々のこと
誰と使って、どんなお話をしたのか・・・
一つの家具でもその家具を見れば思い出が蘇ります。
その「思い出」が家具に限らず直してでも使いたいと背中を押してくれているのだと思います。
そんな愛着のある家具を長く大切にこれからも共に歩んでほしいと願っています。
家具のことで困った時、ふっと思い出してもらえる存在でありたいと思っています。
Tukuroiでは家具に関するお困りごとがありましたら、何でも受け付けています。
何か困ったこと、疑問に思うことがございましたら、お気軽にご相談ください。
修理(リペア)も修復(レストア)もどちらも承ります。
※リペア・・・古くなったり傷ついたりしたものを修繕し、今あるものを綺麗に直すこと。
※レストア・・・元の状態に戻すこと。復元すること。
この町で、家具を通して暮らしに寄り沿うお店、職人でありたいと思っています。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
Tukuroi