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2024/06/18
雨の多い時期の家具のこと
こんにちは。スタッフ上田です。
6月も終わり、いよいよ夏も本番になろうとしていますが、皆様元気でお過ごしでしょうか。
今年の梅雨は、雨が降り続き、気圧の変化で体調を崩してしまった方もいらっしゃるかと思います。
私も梅雨のこの時期はとても苦手で、気持ちもどんよりしてしまいがちです。(農作物や木々には恵みの雨をもたらす大切な梅雨ですが・・・)
家具にとってもこの時期は大敵です。
高温多湿環境では、木材が水分を吸収しやすくなり、適切なメンテナンスを行わないと、木材が膨張し、変形やひび割れを起こしてしまう場合があります。
これにより、家具の強度や安定性が低下し、使用上の問題が生じる可能性があります。
また、湿気が木材の表面に染み込むと、カビが発生する可能性もあります。カビは家具の美観が損なわれるだけでなく、健康被害のリスクも生じてしまいます。
家具に施されている塗装は色や艶を出して美しく見せるのと同時に、木を湿気や乾燥などから保護する役割もあります。
家具を長く使っていると、塗膜が劣化したり、傷が付き、塗膜が剥がれてしまうことがあります。
そのままにしておくと、家具の表面の塗装が剥がれた所から、水分が吸収され、カビが浸透し取れなくなってしまう場合も・・・そうならない為にも、定期的に上塗り塗装をしたり、オイルメンテスをして、家具の表面を保護してあげることをおすすめします。
また、この時期にお問い合わせがあるのが、「キクイムシ」の被害です。家具の表面に小さな穴がたくさんあったり、そのまわりに木くずが落ちていたら、キクイムシが原因の可能性があります。
キクイムシ自体は、人体に被害はありませんが、家具が穴だらけになってしまい、木がスカスカになり強度面で問題が起こってしまいます。
キクイムシはしっかり塗装していれば、「木」と認識しないため、木の表面にタマゴを産まないとも言われています。
木の反りや割れ、カビ、キクイムシの被害から家具を守る為にも「塗装」のメンテナンスはとても大事です。
【こまめな掃除・お手入れ】
一見あまり関係なさそうにも思いますが、こまめに家具を掃除し綺麗な状態に保つことはカビ予防にも繋がります。
カビが発生する要因は湿度や温度でなく、ほこりや食事の汚れ、髪の毛などの「栄養」が揃ってしまうと発生してしまいます。
そのうち、どれかひとつでも抑える事ができたら、発生を防げるとも言われています。
普段の家具のお手入れは、水拭きで十分だと思いますが、できれば乾拭きすることも、おすすめします。
【家具のレイアウト】
梅雨のカビ被害から家具を守る最大の方法はレイアウトを工夫することです。
家具は簡単に干すことができません。
ですので、普段から空気の通り道を作ることが大切になってきます。
家具を壁から離して(5センチ以上)設置すること。
家具同士を隙間を空けて配置する。
できれば下にも隙間をつくることができたら効果も上がります。
また、室内に置く家具や物の量を減らす事も重要です。
そして、家具の置き場所も慎重に決めることが大切です。
湿気が溜まりそうな場所の設置は極力避けた方がいいです。
◎家の中で湿気が溜まりがちな場所
●北側の部屋
●室内干しをする場所
●水回り
●クローゼットや押し入れ
●結露ができやすい場所(窓の付近)
●風通しの悪い場所
【家具の換気】
この時期、換気のために窓や室内ドアを開けいる人は多いと思います。
そこで、是非、「家具の換気」をとてもおすすめします。
普段閉めっぱなしで湿気がこもりがちな家具も引き出しや扉を開けて風を通してあげると湿気も取り除けます。
たまに一度中の物を全て取り出して換気してあげるのもいいですね。
木材の家具は湿気を吸って膨張します。
引き出しが開けにくくなった時は、ドライヤの冷風を側面に当ててみるのも一つの手です(ドライヤーは30㎝は離し、熱風をかけないように必ず冷風を当ててください。)
ここで紹介した事は基本的なことですが、日頃のお手入れやメンテナンスで、今お持ちの家具の寿命を延ばす事ができ、これからも長く暮らしに寄り添ってくれます。
ご家庭で塗装は難しくても、オイルメンテンナンスをやってみたいという方は、店頭に自然健康オイルと蜜蝋ワックスを混合した天然植物オイルもご用意しています。
蜜蝋には抗菌作用もありますので、この時期特に効果的です。
お手入れやメンテナンスについて疑問に思うことや、やり方が分からない、ご不安がある場合は、出張メンテナンスもしておりますのでお気軽にご相談ください。
Tukuroi
2024/04/24
Tukuroiのこと
こんにちは、staff上田です。
新しい年度が始まり、早くも1か月以上が過ぎました。
皆様どうお過ごしでしょうか。私たちTukuroiはTukuroiらしく日々家具と向き合っております。
今回のブログは改めてTukuroiのことを皆様に知っていただきたく、こちらで綴らせていただきます。
私たちTukuroiの工房は愛媛県松山市の 三津 というところにあります。
三津は、愛媛県松山市にある瀬戸内海を臨む港町です。
古くから海運(漁業と商業)の町として栄えました。
波穏やかな湾に漁船が係留され、入り組んだ路地沿いに商家や土藏が建ち並んでいます。
伝統的な建築や洋館などが残っていたり、古民家を再生したお店があったりと、心和む懐かしい雰囲気です。
昔ながらの小さな路地で猫がお散歩していたり、海辺にはカモメの姿。夕方にはトンビが鳴いていたりと、人も動物も町もゆっくりとした時間が流れています。
私自身三津に初めて訪れたとき、ゆっくり時間が流れていて、どこか異空間にきたような、こころ落ち着く町という印象を受けたのを今でも覚えています。
そんな 三津 という海と山に囲まれた穏やかな場所で私たちは家具の修理、修復をしています。
今の倉庫は元製菓工場で外壁には蔦が生いしげり、何とも言えない雰囲気があります。
古い建物を更地にし、新たに建てるのではなく、その古い建物をそのまま使用するというのは私たちにとって今もとても、魅力を感じています。
私たちは、家具を直しながら長く使い、子供、孫、次の世代に受け継いでいくことが当たり前の社会になってほしい。
「家具修理」という自分たちに出来ることを通して、社会に貢献したいと思っています。
何か壊れたら直しながら、長く使ってほしい。
今、目の前にある、モノ を大切にしてほしい。
人はなぜ捨てずに修理をするのか。
環境のこと(ゴミ問題)ももちろんあると思います。
そのモノと過ごした時間。
そのモノを見たら思い出すことのできる「思い出」が捨てずに修理してでも使っていたいと思わせるのではないでしょうか。
買った時のこと
誰かがプレゼントしてくれたもの
誰か大切な人から受け継いだもの
そのモノを使った日々のこと
誰と使って、どんなお話をしたのか・・・
一つの家具でもその家具を見れば思い出が蘇ります。
その「思い出」が家具に限らず直してでも使いたいと背中を押してくれているのだと思います。
そんな愛着のある家具を長く大切にこれからも共に歩んでほしいと願っています。
家具のことで困った時、ふっと思い出してもらえる存在でありたいと思っています。
Tukuroiでは家具に関するお困りごとがありましたら、何でも受け付けています。
何か困ったこと、疑問に思うことがございましたら、お気軽にご相談ください。
修理(リペア)も修復(レストア)もどちらも承ります。
※リペア・・・古くなったり傷ついたりしたものを修繕し、今あるものを綺麗に直すこと。
※レストア・・・元の状態に戻すこと。復元すること。
この町で、家具を通して暮らしに寄り沿うお店、職人でありたいと思っています。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
Tukuroi
2024/04/02
ヴィンテージ家具販売会を終えて
こんにちは。スタッフ上田です。
新しい年度が始まる4月。新しいステージで生活が始まる人も多い時期ですね。
春らしい暖かな日が増え、作業も少しずつではありますが順調に進んでおります。
先日はヴィンテージ家具販売会に足を運んでくださった皆様、ありがとうございました。
とても充実した2日間となりました。
毎日少しずつリペアを進めている私たちにとって、実際にお客様に見てもらえる機会というのは、嬉しくもあり、新鮮な時間となりました。
綺麗に仕上がった達成感もありますが、それを実際に見ていただき、ご購入、ご検討していただいたり、お客様の声を聞くことができ、喜びもひとしおです。
久しぶりにお会いできた方も、新たにTukuroiへ来てくださった方も、楽しい時間をありがとうございました。
またこのような機会を設けた際はどうぞよろしくお願いいたします。
Tukuroi
2023/12/04
ダイニングテーブルの天板の塗りなおし
こんにちは。スタッフ上田です。
今日は最近少しずつ増えつつある修理の一つ、テーブルの天板の塗り直しについてご紹介したいと思います。
ダイニングテーブルは毎日使う家具の一つですので、生活傷、塗装の剥がれ、汚れ、輪じみ、経年劣化などがどうしてもおこってきます。
また食べ物、飲み物の水分が付着しやすいダイニングテーブルの場合、いくら気を付けても塗装が剥がれた部分の傷から水分が入り込み、表面がボコボコしてしまったり、また使用していくうちに、傷ついた部分が広がり、悪化スピードを早めてしまう可能性が高くなります。
テーブルの傷は見た目を損ねるだけでなく、テーブルの劣化を進めてしまうことがあるので、ダイニングテーブル、特に天板の塗り直しはとても大切なメンテナンスの一つです。
今回は、天板の塗り直しということで、まずは、塗り直す前のBEFORの写真です。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
黒いシミがができてしまっています。黒いシミはいくら削っても落ちない可能性もあるので、今回は天板のみグレーで塗り直し(上塗り)をしていきます。
ここからは、作業工程をご紹介します。
まずは、古い塗装を剥がしていきます。
はじめは、粗いサンドペーパー(#60~#100)で研磨します。木地の状態になるまで落としていきます。
研磨は1番時間がかかり単調な作業ですが、塗装の仕上がりに関わってくるので1番重要な作業です。
↓
研磨後、一見綺麗に見えますが、削り跡があるので、次はもう少し細かいサンドペーパー(#120~#150)で研磨します。
↓
仕上げは更に細かいサンドペーパ(#240~#400)で研磨します。
↓
表面を整えた後、色を着色していきます。
↓
下地(木)と上塗り塗料をしっかりと密着させ、木の導管に上塗り塗料が吸い込まれるのを防ぐため、下塗りをします。木工家具を美しく仕上げるためには、この下塗りがとても重要になってきます。
下塗り塗料を塗った後は、表面がとてもざらつくので、さらに細かいサンドペーパーで削り表面を滑らかにしていきます。
↓
中塗りをします。この時点でとても綺麗に見えますが、まだまだ完成ではありません。永く美しく使っていただくために、この後、表面の研磨と補色、上塗りをしていきます。
↓
上塗りをするための色を調合します。今回はグレーを作っていきます。
↓
上塗りをします。今回はサイドの木の素材はそのまま残し天板のみグレーで塗装します。
↓
最後は、耐久性の向上のためクリアでコーティングしていきます。
完成です。
↓
天板の色が変わるだけで、とても雰囲気が変わりました。
雰囲気が変わるだけでなく、直すことで、家具の寿命を延ばすことにも繋がります。
テーブルの塗装は、まずは、見た目を整える「美観」と、これから永く大切に使うための木の「保護」という観点でも、とても大切です。※「防水」や「防カビ」の役割もします。
お気に入りのダイニングテーブルを綺麗な状態で永く使うために、傷の修理、天板の塗り直しはとてもお勧めです。
また、普段のお手入れは、食後に、水拭きをして、汚れを落とし、乾拭きで水分をしっかりと拭き取ってあげるだけで塗装の劣化スピードは抑えられます。
毎日使うものだからこそ、定期的にメンテナンスをする事で気持ち良く使用することができます。
快適に気持ち良く日々の暮らしを整えて行きましょう。