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2021/06/21
「欠けリペア」をリポートします

こんにちは。Tukuroi(妻)です。
今回は前のブログで少しお話しした、家具リペアのワークショップのことをご紹介したいと思います。
気に入って買った家具が、使っているといつの間にか丁寧に扱うことから遠ざかってしまい、お手入れもままならない状態に…。
気になっているけど、家具のリペアやメンテナンスに対してハードルが高い、と感じていらっしゃる方も多いのでは?と思います。
私もマメな方では無いですが、お店でリペアして仕上がった家具が本当に綺麗によみがえっているのを目にして、リペアやメンテナンスの大切さを日々感じています。
家具のリペアやメンテナンスをより身近なものとして、生活の一部に取り入れていけたら良いなと思ったのがワークショップをやろうと思ったきっかけでもあります。
お手入れをすることで愛着がわき、家具を長く使うことにも繋がると思っています。
第一回目となるワークショップの内容は「欠けリペア」です。
家具にできてしまったちょっとした欠け。例えば、ものをぶつけてしまい縁の一部が欠けてしまった、長年使っている家具の一部がいつの間にか欠けていた、など。
欠けのリペアといっても、どんなことをするの?とお思いの方もいらっしゃると思います。
そこでこちらのブログで先日私が店主に欠けリペアを取材した内容をご紹介させていただこうと思います。
約50年~60年前に作られたヴィンテージの家具は、入荷時の状態が良いもの、良くないものと様々ですが、ほとんどに行うのが欠けのリペア。
今回はヴィンテージチェストの引き出しの欠けを直しました。
家具の状態や材質により、やり方や使う道具が変わりますが、今回は熱で溶かしたパテで補修箇所を埋めるやり方で行いました。
まずは家具の色と合うパテを選ぶところから始まります。
実は一番難しいのが色合わせ。補修箇所と周りの色を初めから全く同じ色にすることは難しいので、薄めの色から選んで後から濃い色のパテを足していきます。
熱したヘラでパテを溶かして、補修箇所を埋めます。
補修箇所と周りの色が合い、パテが固まったら、ノミで大まかに削り、サンドペーパーで平にして形を整えます。
最後にオイルを塗装して完成!
パテによる欠けリペアの難しさは、色合わせにあります。
違う材質のものを、全く同じ色や質感にするのには限界がありますが、それをいかに自然に仕上げるか、そこには経験と感覚(そしてセンス!?)が必要だと感じました。(でもそこに面白さもありそうです!)
ワークショップでは、家具の状態にもよりますが、もう少し手軽に扱える材料で行う予定です。
日程などの詳細は改めてお知らせいたしますので、ご興味がある方は、お気軽にお問い合わせ下さいませ!
2021/06/09
はじめまして。Tukuroi(妻)です。
今までこちらのブログで書いてきた、店主のリペアの仕事に至るまでの話。
一体どれくらいの方が見てくださっているのか、謎ではありますが、、、
今回からは、私(妻の方)も少しづつ書いていこうと思いますので、皆さまどうぞよろしくお願いします。
店主のリペアに対する熱い熱い思い(私の個人的な感想です…笑)とは少し温度差があるかと思いますが、コーヒーを片手にお時間がある時にでも読んで頂けると嬉しいです。
Tukuroiはお店としてスタートして、今年の8月で丸2年になります。
普段は今やるべき事や、これから先のことを考えることの方が多いので、今までをゆっくりと振り返ること無く、ここまで来たような気がします。
これまでTukuroiは「家具を修理すること」と「北欧家具を販売すること」この二つを軸にやって来ました。
私たちにとって両方やりたい事で両方必要です。
でもこの2つのバランスの取り方に正直今までずっと迷い続けてきました。
当初は、自宅で家具の修理だけをやっていました。
しばらくして自宅での修理作業に限界を感じ、今の建物を借りることになりました。
そしてその建物は作業だけをするのには十分過ぎるスペースがありました。
そこで色々考えた末、元々いつかやりたいと考えていた北欧ヴィンテージ家具の販売も
同時に始めることに決めました。
修理の仕事も頂きつつ、家具を見に来て下さる方も少しずつ増えてきました。
それと同時に、Tukuroiとして何をしていきたいのか?何を伝えたいのか?と考える日々。
そして行き着いたのが、やっぱり「家具を修理しながら長く使うこと」を伝えたいという思いです。
修理の依頼をしてくださる方の中には「家具の修理をしてくれるところがあまり無い」とか「家具を買ったお店がもう無くて修理をお願い出来なくて」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。
そんなお客様が喜んでくれることが私たち自身も嬉しいし、やっていて良かったな~と思える瞬間です。
そして今、私たちだから出来ることをもっと伝えたい!という思いと、いつもお世話になっている方々からのアドバイスもあり、そんな思いを形にするべくお店のリニューアルを考案中です。
もちろん行うのは店主と私の二人だけなので、プチリニューアルといったところになりますが、楽しみにお待ちいただければと思います。
7月頃からはずっとやりたいと思っていた、修理のメンテナンスやリペアのワークショップなども定期的に行っていきたいと考えております。
そして今後も私からはお店の情報を中心にこちらのブログでご紹介していきたいと思います。
2019年のオープン時の写真です。
2021/03/25
クラフトマンシップ
「クラフトマンシップ」
日本語だと「職人の技能」、「職人芸」、「技巧」などと訳されます。
言葉では一言で終わってしまいますが職人の技術は一朝一夕にはできません。
人類の歴史の中で代々、受け継がれてきた木工技術。
それを受け継いだ職人は数え切れないほどの失敗を繰り返し、悔しい思いをし、試行錯誤をしながらようやく形にする事ができます。
そして「もっと良いものを」という思いを持ち続け、さらに高みを目指しています。
色々な職種の職人の方がいますが、おそらく「完璧なものを作った」と思う人はほとんどいないのではないでしょうか?
何かしらの改善点が毎回あります。
自分自身もこれまでに完璧な修理はした事はありません。
「あの時こうすれば良かった」、「もっと上手くなりたい」、「もっと綺麗に仕上げたい」と日々思っています。
Yチェアを作っている会社で有名なデンマークの老舗家具メーカー、カールハンセン&サン(以下カールハンセン)。
社名のロゴの下には「PASSIONATE CRAFTMANSHIP」と書かれており、「クラフトマンシップ」をとても大事にしています。
※Passionate・・・情熱的な
家具職人だった創業者•カール・ハンセンの「家具」、そして「ものづくり」への熱い思い。
ウェグナーや様々なデザイナーと共に作り上げてきた最高品質の家具。
その自信と誇りが今の家具職人の方に脈々と受け継がれていると感じます。
ご来店されるお客様からよく「素敵な家具ですね」と言われることがあります。
北欧家具ということは知らず「作っているのですか?」と仰る方もいます。
その度にデンマークで作られている事、今から約70年前にデザイン、製作された家具でずっと受け継がれている事をご説明します。
北欧家具やブランドを知らなくても国を超えて「素敵な家具」と思ってもらえるという事は作り手としてはとても嬉しい事だと思います。
自分がカールハンセンの家具でクラフトマンシップを特に感じたのはダイニングテーブル「CH006」を見た時でした。
ウェグナーがデザインし、そのデザイン性、機能性、メンテナンスのしやすさ等、本当におすすめできる一生モノの家具です。
そのテーブルの天板の裏がとても綺麗に仕上げてあります。
前職で国産家具や輸入家具など色々なテーブルの修理をしてきましたが、テーブルの裏を綺麗に仕上げているのをほぼ見たことがありません。
実際に見えない所であり、そこまで綺麗に仕上げなくても機能的には問題ありません。
裏を綺麗に仕上げるということは、表と同じ面積なので単純に手間が2倍かかります。
このテーブルはその手間をかけて表と同じように綺麗に研磨し仕上げてあります。
そこに自分はウェグナーやカールハンセンの「どこを見ても美しいように」というプライドと美学、そして大切な資源である「木」に対しての敬意を感じました。
自分がいつも心掛けているある職人の方の言葉があります。
「心を込めて仕事をする」
当たり前のことですが、ついつい忙しさや効率を優先しすぎて忘れてしまいがちです。
クラフトマンシップとは単に高い技術だけのことを言うのではなく、使う人や運ぶ人など様々な関わる人達、しいては材料である「資源」のことまで考えて「心を込めて」ものづくりをする。
カールハンセンの家具を見てそう感じました。
2020/12/31
改めて自己紹介⑩「感謝」
2019年8月、三津でお店としてオープンして早1年と5ヶ月。
もうすぐ2020年が終わろうとしています。
コロナ禍で本当に大変な1年でした。
自分達は始めたばかりの小さなお店。
しんどい事ばかりでした。
常に不安、プレッシャーとの戦いで、よく妻と励まし合いながら何とかこの1年を乗り切りました。
と同時にお客様をはじめ、本当にたくさんの方の支えでここまで来れたと心から思います。
自分の実力を試すために独立をしましたが、結局は色々な方の応援、サポートが無ければ何もできませんでした。
この場をお借りしてお礼を申し上げます。
本当に有難うございました。
まだまだ未熟者ではありますが、来年も日々、謙虚に学ぶ事を忘れずに「北欧家具」そして「家具修理」という仕事に向き合って参りたいと思います。
明年もどうぞ宜しくお願い致します。
2020/12/31
改めて自己紹介⑨「独立」
2018年3月27日、4月に出産を控えた妻と長女が先に松山へ出発しました。
遅れること8月に自分も松山へ移住しました。
8月、9月は大塚家具の有給が残っていたので、それを消化しつつ、役所に行って移住の手続きや独立に向けての準備をしていました。
そしてついに10月1日、税務署へ行き開業届を出しました。
自分の長年の夢であり、目標だった独立は書類を提出するだけであっという間に終わりました。
しかし、心の中ではようやくスタートラインに立てた喜びでいっぱいでした。
家具修理業で届け出をし、屋号は「Tukuroi」。
家具を修理するということをより暮らしの身近に感じて欲しいという思いで「繕う(つくろう)」という言葉を少し変えて屋号にしました。
作業場は今も住んでいる妻の実家の一部屋です。
しかし、いざ独立はしても松山に知り合いもいなければ、友達もおらず仕事は全くありません。
唯一、妻の妹が以前働いていたカフェの方を妻も知っていたので、その方に初めての営業をしました。
カフェのオーナーの方はとても良い方で、会ったばかりなのに初めての修理のお客様になっていただきました。
また、松山の色々なお店や会社をされている方も紹介してくださいました。
それでも実際に生活するためにはお金が足りず、妻のお父さんの仕事を手伝ったり、単発のアルバイトをしたり、郵便局のアルバイトをして食い繋ぎました。
よく独立に関する本に始めるのは簡単だが軌道に乗るまで、そして続けることが大変と書いていますが、まさにその通りです。
何とか食い繋ぎ、ちょっとづつですが修理の依頼が入り始めた2019年の2月、自宅での作業は音や粉塵、臭い、そして広さ的にも限界がきていたので倉庫を借りようと決心をし、物件を探し始めました。
色々と物件を探す中、縁あって愛媛県松山市の港町、三津にある今の倉庫をお借りすることができ、移転することになりました。