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2020/09/15
ラウンジチェア CH25
ラウンジチェア「CH25」。
自分が尊敬するハンス.J.ウェグナーがデザインし、1950年にカールハンセン&サン社より発表された。
今年の5月からカール・ハンセン&サン社の家具を取り扱わせていただける事になり、初めて「CH25」を生で目にした。
第一印象は、ただただ佇まいが美しい。
威風堂々とした存在感。
それでいて座る人をそっと包み込む様な優しさも感じられる。
見ているだけでも癒される。
座ってみると、座面と背もたれの横の部材が緩やかな曲線を描き、絶妙な座る角度、そしてペーパーコードの程良いしなりが優雅な座り心地を与えてくれる。
また、幅の広い肘掛けが腕を置いた時に安定感と優しい木の質感を感じられる。
ウェグナーの家具は見れば見るほど細部にまでこだわって作られている。
元々、家具職人だったウェグナー。
木の特性、家具の構造を熟知しているからこそ、デザインありきではなく、強度や技術的に効率良く作れるかどうかなど、あらゆる角度から見てベストなデザインをしている。
ウェグナーの家具を観察している時、「ここはおそらく、こういう思いで作ったのだろう」、「何故、このような形にしたのか?」と今は亡きウェグナーと会話している気持ちになる時がある。
CH25はウェグナーの「思い」を大切にしながらカール・ハンセン&サンの職人の方々が、1950年から約70年間、途切れる事なく作り続けている。
効率良く機械で加工できる所は機械を使う。
ただ、機械も職人の知識、経験が無いと上手く扱えない。
そして、最後の仕上げは職人の目と手で感覚を確かめながら仕上げていく。
座面と背もたれのペーパーコードは熟練の職人でも1脚仕上げるのに10時間もかかると言われている。
CH25には別の楽しみもある。
新品のオーク材は少し白っぽい。
それが使い込んでいくうちに太陽の光などで木が経年変化して色が少しづつ飴色に変わっていく。
自分で「ヴィンテージ」を育てていくのだ。
※写真はCH25ではなく、同じオーク材のGE290Aのヴィンテージ(奥がCH25)
自分でもCH25を十分に満喫して、ヴィンテージになったら子供に受け継ぐ。
そんな人生を送りたいと妄想しながらCH25に座り、気持ち良くブログを書いた。